不動産売却は、多くの方にとって「人生で一度あるかないか」の大きなライフイベントです。住み替えや相続、資産整理など、売却の理由はさまざまですが、どのケースでも共通して言えるのは、「しっかりとした準備と正しい知識が必要」ということ。
特に初めて不動産を売却する場合、「どこから始めればいいの?」「売却までにどれくらい時間がかかるの?」と、不安や疑問を抱える方が少なくありません。
このコラムでは、そんな方々のために、不動産売却の流れをステップごとにわかりやすく解説します。各段階での注意点や成功のコツも紹介しているので、スムーズかつ納得のいく売却を実現するためのご参考に、ぜひご覧ください。
目次
STEP1:不動産売却の目的とゴールを明確にする
最初のステップは、「なぜ不動産を売却するのか?」を整理することです。
たとえば、住み替えで新しい家を買うためなのか、相続で受け継いだ物件を現金化したいのか、離婚に伴う財産分与なのか。
目的によって、売却の進め方や優先すべき条件は大きく異なります。
あわせて、いつまでに売却したいのか(スケジュール)、いくらで売れれば満足なのか(希望価格)、ローンの残債があるか(金融面)など、個別の条件も整理しておきましょう。
不動産売却では、まず「その物件がいくらで売れそうか」を知る必要があります。ここで重要なのが、周辺の相場情報を集めること。
不動産ポータルサイトで近隣の似たような物件を検索したり、国土交通省の「土地総合情報システム」などの公的データを使うことで、ある程度の目安はつけられます。
相場を把握することで、売り出し価格を高くしすぎて売れ残るリスクや、安くしすぎて損をするリスクを回避できます。正しい情報に基づいた売却戦略が、成功のカギを握ります。
STEP2:不動産会社に査定を依頼する
相場の目安がついたら、次は不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。机上査定は電話やネットで完結する手軽な方法ですが、より正確な価格を知るためには、実際に現地を確認してもらう訪問査定がおすすめです。
複数の不動産会社に査定を依頼し、価格だけでなく担当者の対応や提案力も比較しましょう。「この人になら任せられる」と感じられる信頼関係が重要です。
STEP3:媒介契約を結ぶ
信頼できる不動産会社が見つかったら、「媒介契約」を結びます。これは売却活動を正式に依頼するための契約で、次の3つのタイプがあります。
- 専属専任媒介契約:1社にのみ依頼、自己発見取引不可、週1回の報告義務あり
- 専任媒介契約:1社にのみ依頼、自己発見取引可、2週に1回の報告義務
- 一般媒介契約:複数社に依頼可能、報告義務なし
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の売却スタイルや希望に合った契約を選びましょう。
※媒介契約については、「初めての不動産売却!抑えておきたい基礎知識」の記事内でもご紹介しています。こちらも合わせてご確認ください。
STEP4:売却(販売)活動をスタートする
媒介契約後、不動産会社は本格的に売却活動を始めます。具体的には、ポータルサイトやチラシへの掲載、既存顧客への紹介などを通じて、購入希望者を探します。
内覧(見学)対応の際には、できる限り室内を清潔に保ち、第一印象を良くする工夫をしましょう。特に中古物件では、簡単な修繕やハウスクリーニングで印象が大きく変わることもあります。
STEP5:交渉と売買契約の締結
購入希望者が現れたら、価格・引き渡し時期・条件などの交渉に入ります。お互いに合意できれば、「売買契約」を締結することになります。
契約前には「重要事項説明」が行われ、宅地建物取引士が契約内容を詳しく説明してくれます。契約締結時には手付金を受け取るのが一般的です。
このタイミングでトラブルを防ぐためにも、内容をよく確認し、わからない点は遠慮せず質問しましょう。
※重要事項説明については、「売買契約!重要事項説明書のチェックポイントは?」の記事内でも紹介しております。合わせてご確認ください。
STEP6:決済・引き渡し・登記手続き
売買契約後は、残代金の受領、物件の引き渡し、所有権移転登記などの手続きを進めます。一般的に、金融機関や司法書士が立ち会う「決済日」が設定され、この日にすべてを完了させます。
この際、抵当権の抹消登記なども必要な場合があるので、あらかじめ準備を整えておくとスムーズです。
よくある質問(Q&A)
Q. 不動産売却にかかる期間は?
→平均で3〜6ヶ月程度です。ただし、物件の条件や時期によってはもっと長引くこともあります。
Q. 売却前にリフォームした方がいい?
→簡単な修繕やクリーニングはおすすめですが、大規模なリフォームは費用対効果を慎重に検討すべきです。
まとめ|「不動産売却の流れ」を理解して、スムーズに売却しよう
不動産売却は、しっかりとした準備と的確な判断が求められるプロセスです。本コラムで紹介した「不動産売却の流れ」を理解し、各ステップで冷静に行動することで、満足のいく売却を実現できます。
不安がある場合は、信頼できる不動産会社や専門家の力を借りることも大切。あなたの大切な資産を納得のかたちで手放せるよう、ぜひ本記事を参考にしてください。
この記事を書いた人
横山 志穂(よこやま しほ)/経営企画部 部長
株式会社フレンドホームに入社後、マーケティング部門を新設。サイト構築やWEB広告運用のみならず、フレンドホーム初となる入居者向けイベントの企画や、地元の飲食店を巻き込んだ新サービスを次々にリリース。 同業のマーケティング担当者を始め、ビジネスホテルの社員向け講義も行っている。 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、認知症介助士を保有。