2026年4月から、不動産を所有する人にとって大きな制度変更が予定されています。
それが「住所変更登記の義務化」です。これまでは、引っ越しをしても登記上の住所を変更しないまま放置しているケースが珍しくありませんでした。しかし、義務化により一定期間内に住所の変更登記を行わなければならず、違反すれば過料が科される可能性もあります。
特に不動産を売却しようと考えている方にとって、「売却前に必ず必要なのか?」「手続きが遅れると売却にも影響が出るのか?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。住所変更登記は不動産売却と深く関わっており、売却時の必要書類にも影響するため、事前に正しい知識を持っておくことが安心につながります。
この記事では、住所変更登記とはどのような制度なのか、義務化された背景と新制度の内容、そして不動産売却へどのように影響するのかを、できるだけわかりやすく解説していきます。制度開始前に知っておきたいポイントや、実際の手続き方法、やらなかった場合のリスクもあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. 住所変更登記とは?

住所変更登記とは、不動産の登記簿に記録されている所有者の住所を、実際の住所に合わせて変更する手続きのことです。不動産を購入した際、所有者の氏名や住所は法務局に記録されますが、転居後に住所変更登記を行わなければ、登記簿の情報は古いまま残ります。
これまでは、住所変更登記は“義務”ではなく“任意”でした。そのため、何十年も前に購入した不動産で、所有者が転居を繰り返した結果、登記簿上の住所が3つも4つも前のままというケースも珍しくありませんでした。売却時には結局手続きが必要になるものの、「その時にまとめてやればいい」と考える方が多かったのが実情です。
2. 住所変更登記が義務化された背景
住所変更登記が義務化される背景には「所有者不明土地問題」の深刻化があります。相続が発生した際、登記簿の住所が古いままだと相続人を特定できず、土地が放置されるケースが全国で増えています。公共事業や災害対応にも支障をきたすほど大きな問題となり、2021年には所有者不明土地を減らすための法律改正が本格的に進みました。
また、空き家問題も見逃せません。建物の所有者が不明なまま放置されると、老朽化により倒壊のリスクが高まり、近隣住民に被害が及ぶ恐れもあります。所有者の“現在の居所”を明確にしておくことは、社会全体にとっても必要な仕組みといえます。
今回の義務化は、不動産を所有しているすべての人に「登記情報を最新にしておきましょう」と促すものです。売却予定がある人にとっても、いざ売却が決まった際にスムーズに手続きが進められるメリットがあります。
3. 何が変わるのか?義務化で求められること
義務化後は、転居した場合「一定期間内に住所変更登記を行わなければならない」ことになります。期限は転居から2年以内とされています。
これまでは時間が空いてしまっても問題はありませんでしたが、義務化後に放置したままだと5万円以下の過料が科される可能性があります。
(※刑罰ではなく行政上の過料です)
また、登記手続きに必要な添付書類も見直される予定で、マイナンバーカードと連携したオンライン申請がしやすくなるなど、利便性の向上も進められています。
4. 不動産売却への影響
住所変更登記の義務化は、不動産売却にも直接影響します。登記簿上の住所と現住所が異なっている場合、売却手続きや契約書の作成において追加確認や修正が必要になることがあります。特に、次の点は注意が必要です。
- 登記情報と現住所が一致しているかを事前に確認する
- 売却契約書に正確な所有者情報を記載する
- 管理会社や仲介会社への連絡を忘れずに行う
事前に住所変更登記を完了しておくことで、売却手続きはスムーズに進み、余計なトラブルを防ぐことができます。
特に買主が住宅ローンを利用する場合、決済日の遅延は買主側にも影響を及ぼします。これは売主にとっても大きなトラブルの原因になり得るため、住所変更登記を済ませておくことが安心につながります。
また、相続した不動産を売却する場合には、相続登記と住所変更登記の両方が必要になります。2024年に相続登記も義務化されているため、今後は売却前に必要な手続きが増え、事前準備の重要性がさらに高まります。
5. 住所変更登記の手続き方法
住所変更登記は法務局で行います。義務化後はオンラインでの申請も可能で、マイナンバーカードと連携することで手続きが簡略化されます。主な手順は以下の通りです。
- 申請書の作成
- 必要書類の準備(本人確認書類など)
- 法務局またはオンラインでの申請
- 登記完了の確認
申請書類の不備があると手続きが遅れることがあるため、事前に確認しておくことが大切です。
住所変更登記の手続きは、次の流れで行います。
まず、必要書類をそろえます。一般的には、住民票の写しや戸籍の附票など、住所の履歴が確認できる書類が必要です。
書類をそろえたら、法務局へ申請します。申請方法は、窓口・郵送・オンライン申請のいずれかを選べます。
費用は登録免許税として1件につき1,000円です。(土地付き建物の場合は合計2物件となり、費用は2,000円となります。)
複数の不動産を持っている場合、それぞれの物件ごとに費用が発生します。手続き自体は複雑ではありませんが、必要書類に不備があると補正が必要となり、スケジュールが長引く可能性があるため注意が必要です。
不動産会社や司法書士に相談・依頼することもでき、手続きに不安のある方や早く売却を進めたい方は専門家に相談するのも一つの方法です。
【 参考 】
法務省:「住所等変更登記の義務化特設ページ」
6. 手続きをしないとどうなる?

義務化後に住所変更登記を行わず放置すると、先述のとおり5万円以下の過料を科される可能性があります。ただし、それ以上に注意したいのが「売却時に大きな支障が出る」という点です。
登記簿の住所が古いままだと、本人確認ができず売買契約が進められません。さらに、相続が発生した場合には相続人を特定できず、遺産分割協議が進まないという問題が起きる可能性もあります。
事前に住所変更を済ませておくことは、自分自身の不動産の管理を適切に行うという意味でも重要です。
7. よくある質問
Q1. 住所変更登記とは?
A. 住所変更登記とは、不動産登記簿に記載されている所有者の住所を、新しい住所に変更する手続きのことです。転居した場合に登記簿の情報と現住所を一致させるために行います。
Q2. 義務化で何が変わるの?
A. 2026年4月から、転居後2年以内に住所変更登記を行うことが義務化されます。従来は義務ではありませんでしたが、今後は期限内の申請が求められるようになります。
Q3. 申請方法は?
A. 登記所での申請に加え、マイナンバーカードを使ったオンライン申請も可能になります。必要書類や手続きの流れは、法務局の案内に沿って進めることが大切です。
Q4. 期限内にしないとどうなる?
A. 期限内に申請しない場合、正当な理由がないと過料の対象となります。過料は5万円以下で、刑罰ではなく行政上の措置です。一般的には、通知が届く前に自分で手続きを済ませることが推奨されます。
Q5. 売却に影響はあるの?
A. 住所変更登記が済んでいない場合、売却手続きの際に追加の確認や修正が必要になることがあります。事前に手続きを完了しておくと、売却手続きがスムーズになります。
まとめ
住所変更登記の義務化は、不動産を所有するすべての方に影響する大切な制度です。特に売却を検討している方にとっては、登記簿の住所を正しくしておくことがスムーズな取引につながります。制度開始まで時間はありますが、売却を予定している場合は早めに手続きを済ませておくと安心です。
住所変更登記の方法や売却への影響について不安がある方は、ぜひ一度フレンドホームへご相談ください。不動産売却のプロとして、お客様の状況に合わせた最適な手続き方法をご案内いたします。




